第22回 子どもへの指示の出し方

第22回のテーマは<子どもへの指示の出し方>です

配信年月:2018年7月号

1.  子どもへの指示の出し方について

日常生活で、子どもと接していて、「着替えなさい」「おもちゃを片付けなさい」「お風呂にはいりなさい」と色々な指示をしていると思います。何回言っても、指示通りに動かないために、つい大きな声で怒鳴ったりして、お母様方も疲れてしまうことがあるかもしれません。2005年に発達障害者支援法が成立し、発達障害のある子の接し方として、ペアレント・トレーニングの研修が広まっていますが、発達障害のあるなしに関わらず、すべての育児につながるのではないかと思います。

(1) 予告をする

指示を出してもすぐにできるとは限りませんね。特に、先に見通しをつけられない子どもには、予告がとても有効です。指示をする前に「あと5分したら○○ね」と時間を決めたり、「あと3回で終わり」というように回数を言うと、子どもにどこで終わりかが明確に伝わります。

(2) 指示はCCQで

  1. C: Calm(あなた自身が穏やかに)
  2. C: Close(子どもにもう少し近づいて)
  3. Q: Quiet(声のトーンを控えて)

予告をしても、指示を出しても、行動に移ろうとしない場合には、繰り返し同じ言葉で指示を出します。繰り返し指示しても従わない時には、一旦、その場から離れ、親の気持ちを再度落ち着かせてから指示を出してみます。

(3) 25%ルールでほめる

子どもが指示した行動に取りかかったら、タイミングを逃さず、ほめることが重要です。子どもがやりたくないときでも、ほめることで頑張る力になります。100%指示した行動が完了してからほめるようと思っても、別の行動に移って怒られてばかりだと、子どもの自信は低下し、指示に従う意欲も低下します。25%できたらほめることも良いと思います。

 

2. 吃音のまめ知識

吃音のある子を支援する場合は、「話をする前・最中よりは、話し終わった後が良い」と思います。つい、滑らかなではない話し方に、「ゆっくり話なさい」「落ち着いて」と声をかけたり、言葉を先取りすることは、本人たちに嫌な思いをさせることがあります。子どもたちは、「話したい」という発話意欲があり、会話を始めるので、話し方よりは、話したい気持ちを汲んであげると嬉しいと思います。具体的には、吃音のある子の話をうなづいて聞く、聞いた内容を繰り返したり、話の内容をまとめる(伝わったことをフィードバックする)。さらに、話の内容について質問する(興味を持っていること)ことも、話し手にはうれしいことです。これは、単に吃音があっても、なくても同様だと思います。

 

3. 参考資料

 

文責:菊池良和(研究分担者, 九州大学病院)